断熱性能の種類と特徴を紹介

北海道と本州を繋ぐ位置にあり、北海道の玄関口でもある道南エリア。道央などと比べて緯度が低いため積雪量はそこまで多くありませんが、冬は厳しい寒さに見舞われます。そんな道南エリアでは、「断熱性能」に長けた住宅を建てるのがベストです。 ここでは、断熱工法の種類やそれぞれのメリットやデメリット、選び方などについて紹介します。

断熱工法の種類とそれぞれのメリット・デメリット

一般的に、注文住宅で採用される断熱工法には、内断熱工法と外張り断熱工法の2種類があります。それぞれの特徴をしっかりと確認しておきましょう。

内断熱工法の特徴

内断熱工法は、グラスウールなどの断熱材を床下・柱と柱の間、壁の中、天井といった構造躯体の隙間に断熱材を充填する工法で、「充填断熱工法」とも呼ばれています。施工しやすいポピュラーな工法でもあるため、多くの住まいが内断熱を採用しているようです。一般的な戸建て住宅の場合であれば、材料によって施工費用が異なります。

内断熱工法のメリット

費用が安い

内断熱工法では繊維系の断熱材が使われることが一般的なので、施工もしやすく価格相場が安い傾向にあります。特に、ロックウールやグラスウールを採用した内断熱は、30万円程度で施工可能なことも(※)。

※参照元:断熱材.jp(https://dannetsuzai.jp/column/26/#sec-2-5)

断熱性能が高い

内断熱は壁を厚くするだけで、いくらでも断熱材を厚くすることが可能です。外張り断熱工法の場合は断熱材と重量のある外壁材を固定する必要があるため、断熱材の厚さはせいぜい5~6cmが限界でしょう。そのため、外張り断熱工法で5~6cmを超える断熱性能を希望する場合には、内断熱と併用しなければなりません。そのぶん建築費も高くなるため、優れた断熱性を求める人には内断熱工法がおすすめです。

冷暖房の効果が現れやすい

躯体の内側に断熱材を設置するため、冷やされた空気や温められた空気は室内に留まります。熱や冷気が外へ逃げにくく短時間で部屋の温度を調節できるので、諸経費を抑えることも可能です。

内断熱工法のデメリット

結露が発生しやすい

室内と屋外の温度差によって生じる結露。厳密にいうと、室内と屋外に7℃前後の温度差が生まれた時に結露が発生します。内断熱工法は冷暖房の効果が高い代わりに、外部との温度差が生じやすく、部屋の壁や天井に結露が発生しやすいことがデメリットです。
結露は健康に被害を及ぼすだけでなく、壁内の断熱材をむしばむ可能性があります。症状が悪化すると、断熱材のずり落ちを引き起こし、床下や柱の劣化にも繋がるため、防湿層を設けるなどの対策が必要です。

冷暖房の効果が持続しにくい

内断熱工法は冷暖房の効果が現れやすい反面、効果が持続しにくいというデメリットがあります。建物にはどうしても断熱材を設置できない部分があり、外張り断熱工法のように躯体へ蓄熱しなければ、冷やしたり暖めたりした室内の空気が窓から逃げてしまうのです。
特に、変形地に住宅を建てる場合は凹凸部分や隅角部分が多くなり、断熱材を設置しにくいため、空気が漏れやすくなります。

外張り断熱工法の特徴

外張り断熱工法は壁や屋根といった躯体の外側に断熱材を貼る工法で、スチレンフォームやフェノールフォームなどの発泡プラスチック系断熱材がよく使用されます。内断熱工法と比較して断熱材を簡単に隙間なく貼れるため、断熱性や気密性を高めるのに適しているでしょう。

外張り断熱工法のメリット

結露が発生しにくい

外張り断熱工法は構造躯体の外側に断熱材を設けるため、内断熱工法とは違い外気の影響を受けにくい室内を実現可能です。そのため、結露が発生しにくく、健康に被害を与えるカビやウイルス、ダニの発生などを防ぐことができます。柱や壁の劣化を防ぐのにも繋がるため、いつまでも健康的な住まいを保てるでしょう。

冷暖房の効果が持続しやすい

躯体の外側に断熱材があるため、冷暖房により暖められたあるいは冷やされた空気が屋外に逃げにくいことがメリットです。冷暖房を切っても緩やかに温度が変化していくので、しばらくは冷暖房の効果が持続します。そのため、外張り断熱工法は住まいの省エネ化を求める人にぴったりな工法です。

床下や小屋裏も快適

外張り断熱工法は基本的に屋根や壁の外で断熱しているため、居住スペースだけでなく床下や小屋裏にも断熱効果を生み出します。床下収納やロフトを採用する場合も快適な温度を保つことができますし、結露が発生しにくいため衣替えをした服を収納してもカビの被害に遭う心配もいりません。また、小さなスペースを書斎や趣味の部屋として活用したい人にもおすすめです。

外張り断熱工法のデメリット

冷暖房の効果が出るまでに時間がかかる

外張り断熱工法は冷暖房の効果が持続しやすいものの、効果が出るまでには時間がかかります。内断熱工法は壁のすぐ裏に断熱材があるため、比較的早く冷暖房の効果を実感できますが、外張り断熱工法は躯体が熱や冷気を蓄えるまでに時間がかかるため、内断熱工法と比べると効果が出るまでの時間は長いことがデメリットです。

価格相場が高い

一般的に外張り断熱工法では、ボード状のプラスチック系断熱材を使うため、施工の手間や時間を多くとられる傾向にあります。また、断熱材の上に外壁材を取り付けるための下地や外壁材を設置しなければならないため、そのぶん工賃が高くなりがち。もちろん、断熱材を厚くするほど壁の厚みも増すので、厚みぶんの面積が必要となります。

断熱材の種類と選び方

理想通りの性能を実現するためには、どのような断熱材を採用するのかも重要です。断熱材にはさまざまな種類があるので、注文住宅を建てるなら断熱材にもこだわると良いでしょう。

断熱材の種類

グラスウール

ガラスを熔解(ようかい)してから繊維状にし、接着剤を吹き付けて成形する断熱材。国から不燃材料として認められており、日本のみならず北米や北欧でも広く用いられている素材です。形状はマット状やボード状、綿のような状態などで、繊維が細かいほど断熱性能が高い特徴があります。

ロックウール

鉄鋼スラグや玄武岩などを溶かして繊維状に成形した断熱材。グラスウールと同じく不燃材料として認められており、日本でのシェアは今一つなものの、北欧ではグラスウールと同じくらいのシェアがあります。最近ではマンションの外張り断熱工法で採用される機会が増えており、マット状やボード状、綿のような状態など形状も豊富です。断熱性だけでなく、耐久性や耐熱性、防音性や撥水性(はっすいせい)にも優れています。

ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)

ポリスチレン樹脂に難燃剤や発泡剤を添加し、ビーズ状にしたうえで発泡成形した断熱材。一般には「発泡スチロール」として広く知られています。その名の通り、1粒1粒に気泡を持ち、耐水性が高いだけでなく軽くて衝撃にも強いことが特徴です。形状はボード状のみなので、外張り断熱工法に使われます。

押し出し法ポリスチレンフォーム

材料はビーズ法ポリスチレンフォームとほぼ同じですが、成形方法が異なる断熱材です。形状はボード状で、硬質なので耐圧性に優れていますが吸湿・吸水性に欠けるのがデメリットとといえます。押し出し法ポリスチレンフォームは、外張り断熱工法や基礎部分の断熱に使用される断熱材です。

硬質ウレタンフォーム

ポリウレタン樹脂に発泡剤を添加して成形される断熱材で、外張り断熱工法では定番の断熱材でもあります。ボード状だけでなく壁などに直接吹き付ける方法も可能で、内断熱工法として採用するケースも多いようです。

セルロースファイバー

古紙などを粉砕して綿状に成形した断熱材。内断熱工法に使用されることが多く、グラスウールと比較して吸音性が高いことが特徴です。自然系断熱材として近年注目されていますが、自然系の中では最も歴史が長く普及率も高い素材。健康に被害を及ぼす化学物質を使用していないため、自然素材にこだわった住まいを実現したい人におすすめです。

断熱材の選び方

断熱材を選ぶ際のポイントは、土地の気候に適しているかどうかという点です。素材の性質や厚みを比較し、熱伝導率(λ値)と熱抵抗(R値)を確認しましょう。
熱伝導率とは、材質における熱の伝わりやすさを数値化したもので、値が小さいほど断熱性が高くなります。一方で熱抵抗とは、材料の厚みにおける熱の伝わりにくさを示す値です。値が大きいほど断熱性に優れています。いくら熱伝導率の小さい断熱材を選択しても、厚みが薄ければ十分な断熱性を実現できないため、熱伝導率と熱抵抗のどちらもきちんとチェックしてください。
また、断熱材は種類によって費用が異なるため、建築費用を抑えつつ快適な住まいを実現するためには、コストパフォーマンスも意識しなければなりません。費用対効果を考慮し、自分の要求にぴったりの断熱材を選びましょう。

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